Beyerdynamic T1のファーストレビュー。

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12月上旬にゼンハイザーHD650をポチってから2ヶ月ちょっと...しか経ってないですが、ハイエンドヘッドホンのひとつである、ベイヤーT1まで手を出してしまいました。
購入までの顛末と、購入後に5時間ほど試聴してのファーストレビューです。

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HD650を入手してからオーディオ沼にずぶずぶハマり、ハイエンドヘッドホンに非常に興味が湧いていました。
興味が湧いていた...というよりも衝動買いの欲情に。w
ハイエンドクラスの中でも特によく比較されているのがゼンハイザーHD800とベイヤーT1。
どんな音が聴けるのか非常に気になるものの、流石に試聴もナシに2桁万円クラスのヘッドホンに手を出すのは怖いので、秋淀で試聴をして来ました。

もう少し低価格帯のヘッドホンには手持ちのDAPを繋げられる環境が用意されていましたが、HD800, HD700, T1はまとめて同じ場所に展示してあり、そこにはマランツのCDプレーヤーしかなかったので店頭の試聴用CDを借りて聴き比べ。
「太陽曰く燃えよカオス」とか入ってたので普段聞くような曲でチェックできました。

...そうです、高いヘッドホンを買っても用途はゲームやアニメ試聴なのです...
(`・ω・´)シャキーン でも趣味だからこそ、いい音が欲しいっ
そもそもクラシック音源とか一切合切持ってないし!
女性ボーカル(アニソンとか東方同人)、打ち込み系などが主な用途。

そして聴き比べた感じでは...
HD800は低音がプッシュされているように感じ、それに対してT1の方がフラットかつ高音の伸びを感じました。
これは音場が広くてボーカルが遠いといわれるHD800なので、ボーカルが引っ込んでそう感じたのかも。
また、装着感がT1の方が好みだったので店頭試聴ではT1の方が好感触でした。
HD800はその重量の割に頭に乗せてもあまり重みは感じないですし、側圧も殆ど無くて耳が痛くなりにくそうなのですが、ハウジングがすごく大きくて平べったくて...
薄いスピーカーユニットを顔の横に添えるような感じが好きになれませんでした。
また、改造済みHMZ-T1と組み合わせて使うことも考えているので、HD800だと絶対干渉してしまう...

そんな訳でT1に興味が出たのですが、やはり値段がヘッドホン1個にホイホイ出せる金額じゃない...。
2012年2月に円高還元で価格改定されて、量販店価格が135,000円→99,800円くらいになっているので、だいぶ手を出しやすくなってはいるのですが...
3日くらい悩んで、現在円安が急速に進んでいるので今が底値、躊躇してたら逆価格改定されてしまうかもしれないので購入することにしました。
サウンドハウスで入荷未定79,800円で購入。1週間後に在庫ありになり発送されて21日に届きました。
ちなみに、その在庫ありはその日の夜にはまた入荷未定になってました...。w

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前置きが長くなりましたが開梱レビューから。

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箱を開けるとビニールにくるまれて重厚なジュラルミンケースが鎮座しています。

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これだけで結構お金かかってそう。所有欲は満たされますが、保管場所に困ります。w

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箱の内側もただのスポンジではなく生地が張ってあります。ちょっとゴワゴワ。
ケーブルを止めているのは渦巻状の硬いゴムです。ケーブルを傷めない良い気配りです。

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ハウジングのアップです。
この微妙なメッシュ的加工が「半開放型」の由来かな?
音漏れはHD650並にあります。

質感や見た目はまさに質実剛健。
HD800の遊んだデザインはあまり好きじゃないのでこの点でも( ̄ー ̄)bグッ!

ヘッドバンド部は板バネになっているので、非常に軽い力で広げることができます。
なめらかな手応えで気持ちがいいです。
バネなのでものすごい角度にねじっても大丈夫なようですが...怖くて出来ません。w

ちなみにシリアルの刻印は10100番台でした。
ハイエンドクラスにしてはかなり数が出ているよう?です。

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装着感についてですが、店頭で試したとおり全く問題ありませんでした。
HD650の装着感もイヤーパッドが縦長で耳がすっぽり覆えて気にいっていたのですが、HD650ではハウジング内の内張りに耳が当たるのに対し、T1ではドライバーユニットが斜めに取り付けられているので耳に何も当たらずに完全フリーです。
この快適さは所有してみないと分からないですね。
2,3時間ほどT1で聴き続けて、HD650との聴き比べのために付け替えたところ、今まで気にならなかったHD650の耳が当たる感じにすごく違和感がありました。

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音質について。
まず装着に少し気を配る必要があります。
一般的なヘッドホンはハウジングの内張りがフェルト地みたいな生地ですが、T1はポリエチレンフィルム?みたいな素材になっています。(不織布らしいです)
普通に装着すると、もみあげ部分の髪の毛が内張りと擦れるたびにカリカリと音がします...。
対策としては顔をむやみに動かさないようにするか、ハウジング内から髪を追い出してやる必要があります。
他のヘッドホンにはない欠点ですネ...。

再生環境は
PC→HDMI→HDMIセレクタのSPDIF出力→HP-A3→T1
です。
HP-A3はヘッドホン出力のオペアンプをMUSES02に換装済み。
ヘッドホンに対してヘッドホンアンプが入門複合機で不釣り合いですが...
ちょっとずつステップアップしていくつもりなので今は仕方なし。

試聴一発目はHD650をずっと使ってきていたからか、高音がキンキンしてきつく感じました。
でもよく聴いてみると高音に偏っているわけではなく、ボーカルもはっきりしているし、低音もしっかり出ています。
耳が慣れた後にいろいろ試聴してみて、HD650と比べて一番変化に驚いたソースは
 化物語 千石撫子テーマ 「恋愛サーキュレーション」
でした。
何が驚いたかというと、T1はボーカルに艶が出るとよく言われますが、ツヤどころかものすごく艶めかしい声に...。
女性ボーカル、特に甘ったるい声の表現力は恐ろしいものがあります...
T1でのアニソン再生がいいと言われるのも納得かも。

しばらくT1を聴きこんだ後にHD650に切り替えると...ものすごく低音が響いてボワボワしてます。
低音過多で気持ち悪いというわけではなく、柔らかく聞けるのでコレはコレで良いものですが...T1の表現力を前にすると、常用はT1、気分転換にHD650くらいの使用頻度になりそう...。
ただ、T1はサ行の刺さりが気になるトコロもあるので、聴き疲れしないのはHD650の方ですね。
HD650は中~低音域に特色があるので、音圧を感じるのもHD650の方です。
T1はソースをおとなしく綺麗に再生してくれる感じ。

音量自体は普通に取れます。
HP-A3のボリュームを同じにしてT1とHD650を比べると、若干HD650の方が音量大きくなるようですが、12時くらいの位置で煩いくらいなので、インピーダンス600Ωとはいえ能率高いために鳴らすだけならそれほど環境を選ばないようです。

高音の伸びがよく、情報量がすごく多いのにそれぞれがシャキっとしていて聞き取りやすく、それでいてボーカルは心地よく再生してくれる...
低音についてもHD650のようにそれを特色とした鳴り方はしませんが、ボーボーした音ではなくちゃんと音色として再生してくれます。
さらに装着感も心地よく、何時間装着していてもほとんど痛くなりません。ただし背もたれに頭をもたれるとフレームが少し背もたれに当りますが...。
どんなソースでもそつなくこなしてくれる実力があります。
買ってよかった(´・ω・`)b
若干サ行が刺さりやすいので、上流側でもう少し柔らかくできればなおいいかも。

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バーンインが進んだ後、どんな具合になるか楽しみです。
購入を検討している方は、値上がりする前にえいっとポチって物欲を発散させちゃいましょう。

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コメント(4)

初めまして。ビームです。
Beyerdynamic T1についてググってこちらにたどり着きました。
T1購入にいたって、600Ωというインピーダンスがひっかかていています。
ポータブルヘッドホンアンプHPP1、D12Hj、The Continental V3を所有しています。
主にipodやiphoneから先のアンプを組み合わせて音楽を楽しんでいます。
使用していますヘッドホンはHD25-1 II、イヤホンはER4S-Bです。
はたして上記環境でBeyerdynamic T1の本領を発揮出来ますでしょうか?
ぜひアドバイスいただきたく唐突ですが書き込ませていただきました。
宜しくお願いします。

本領発揮ですか…。私の環境は他記事にあるとおり、アンプではm902、HP-A3、E11(OPA交換済)、DigiFi No.10付録といったところですが、鳴らすこと自体は能率が高いので容易です。DigiFi付録HPAで話題になっているサーノイズが聞こえるくらいですので。(300ΩのHD650では聞こえません)
上流が良くなれば良くなっただけ、下流のヘッドホン出力も良くなるものだと考えているので、本領発揮=鳴らしきるという意味で取れば、上限はないんじゃないかなぁと思います。
アンプやDACをとっかえひっかえしてみた結果、ヘッドホン変更による音質変化を100とすれば、他の要因は10未満だと思ってます。
ただし、DAP直とアンプを介した際には明確に音質の差があったこと、DACもチップメーカーによっては多少なりとも音色が異なっていたことは体験しておりますので、やはりある程度のアンプと好みのDACは必要かと思います。ポタ機ですがしっかり作られたアンプをお持ちのようですので、十分駆動できるはずです。アンプによって若干音質差はあるでしょうが、他ヘッドホンからT1に変えることに比べれば些細な事です。
半開放型で思いっきり音が漏れるので、ポタアンと組み合わせて外で使うのはあまりオススメできませんが…。
なお、ER4は未視聴ですが、HD25の方は以前試聴いたしました。低音が元気でノリの良い曲とは抜群に合いそうだったなー、と記憶しておりますが、耳を覆うタイプが装着感が楽で好みですので、このタイプは所有しておりません。外で音漏れ無く聴くにはよさそうですね。
現在、HD650+E11+iPhoneを寝ホンとして使っていて、柔らかくて気持ちがいいなーと思っています。いざメインのT1+m902の環境に切り替えると、毎度毎度そのスッキリした高解像な音に( ゚д゚)ハッ!とさせられていますので、気になっているのであれば一度ご視聴をおすすめします。私は大好きなヘッドホンです。

管理人様。ありがとうございます。
結論として中古ですがbayerdynamic T1購入しました。
ファーストオーナー様は20時間程しか使用しておられないとのことで、
これからじっくり聞き込みたいと思います。

「ヘッドホン変更による音質変化を100とすれば、他の要因は10未満」
なるほど〜たしかにその通りですね!アンプの変化と比べたらヘッドホンを交換した時の変化&感動の方が大きいですね。

今回、T1を手持ちのアンプでとっかえひっかえ2段3段4段wにして試してみました。
個人的にContinental V3との組み合わせが好みに合いました。
音量もLowゲインでも3分の1ほどボリュームを上げれば十分な音量で美音を鳴らしてくれています。
T1ですが手持ちのヘッドホン(HD25-1 II、ER4S-B)の良いとこをより大きく自然な音色で聞かせてくれるような感じがします。

半解放型のヘッドホンは初めてですが、周りの音が自然と入ってくるのでとても開放感があって良いですね!周りが五月蝿いと悪影響を受けますが(笑)
それに耳をすべて囲ってくれるのでとても楽ですし閉塞感がなくて良いです。
もう既にお気に入りナンバーワンのヘッドホンになりました。
ちょっと興味が出たのは開放型ってどんな感じなんだろ〜〜って。
いかんいかん・・・また物欲がw
当初、HD650を購入しようと思っていたので管理人様の寝ホンがHD650とうかがった時はなんて羨ましい・・・いやいやなんて贅沢なセレクトでしょう。
いずれは私もHD650を寝ホンに・・・!!

余談ですが、25年程前に購入したコンポKENWOOD DX7が物置にしまってある事を思い出し、生きているアンプのみ引っ張りだしてきました。これはDAT(懐かしいですね)ダイレクト出力機能が付いているのでもしかして・・・っと。
iPhone4s→HP-P1→ライン入力からDX7のDAT端子へ入力→DATダイレクトでスピーカー(これも30年以上前の古いヤマハのMS2000S)orヘッドホン出力。
DX7のDACを使用せず出力されるのでHP-P1のDAC性能が浮き彫りになった感じです。
これがね・・・CDプレーヤで聞くよりも明らかに良いです。これにはほんとに驚きました。

早速ご購入されたのですね、おめでとうございます。
最初の1本目に購入してしまうとふーんこんなもんか、でも他のヘッドホンと比べるとなんて繊細な音が出てくるんだろうと改めて感動する、そんなヘッドホンですよね、T1。
前のオーナーが早々に手放してしまったのは…なんというか勿体無いですが、縁があって良かったですネ。
私もアンプ遊びというか、DACとアンプの組み合わせで四苦八苦しています…。w
もともと高音寄りで乾いた印象のヘッドホンですが、どうにも歯擦音の刺さりが気になってしまいます。曲によってはザクザクと…。
イコライザを導入して判ったのですが、どうにもクリップしていると刺さりが気になるご様子。
もともと録音レベルが低めでリッピングしてもピークが100%でないような曲はおとなしいですが、最近流行りのコンプかけまくり音圧あげまくりな曲だとザクザク来るので、T1はあまり罪はないかもしれません。
まぁ、HD650だと刺さらないのですけど。

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このブログ記事について

このページは、kitcatが2013年2月22日 01:00に書いたブログ記事です。

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