HMZ-T1をHMZ-T2仕様に近代化改修してみた

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購入から1年が経過したHMZ-T1...
ついにメーカー保証期間を過ぎたので、先人達にならって不満解消の為の改造を行うことにしました。
HMZ-T1の不満は、標準のヘッドホンの音質が気に入らないというところで、ヘッドホンをずらしてスピーカーからの音声を聞く方法で運用していました。
やはり意見が多かったのか、HMZ-T2からは改善されているポイントです。

HMZ-T1 wikiやPanorama World Blogさんや家電好きの日記さんを見て分解の参考にしましたが、ヘッドホン単体の取り外しは比較的簡単にできますし、元に戻すことも可能です。
スピーカーやイヤフォンで音を聞くのならそれだけで十分なのですが、今回はゼンハイザーのHD650を使えるようにしたかったため、切断という最終手段を用いました。

この改造の結果、
  • イヤーカップの大きなヘッドホンの装着が可能
  • イヤホン端子増設により、お気に入りのイヤホン・ヘッドホンが使える
  • レンズ調整機構の左右独立化
が実現でき、似非HMZ-T2仕様のHMZ-T1が完成しました!

IMG_1274.JPG

まず分解については、まとめサイトやあちこちのBlog等で触れられてますので、そちらを参考にして下さい。
私が参考にした先の2ブログさんなんかが良いと思います。
用意するものは超精密ドライバー、具体的には#0と#00のプラスドライバーが必要です。

分解手順の中で、本体下部の黒いカバーを取り外すネジがどれか少し分かりにくかったのでそこだけ紹介。

IMG_1244.JPG

画像の赤丸の部分です。これを左右両側外し、少し力を入れてバキバキやるとカバーが取れます。
分解を進めていき、ヘッドバンド部をばらすとヘッドホンユニットが取り外せます。
ヘッドホンを外せさえすればいい場合はここまでで、あとは元通り組み立てれば完了です。
当然、切断等はしていないので、再度ヘッドホンを取り付けることも可能です。

IMG_1246.JPG

ただし、この状態ではイヤホンか、イヤーカップの小さなヘッドホンしか使えません。
また、オーバーヘッドタイプのヘッドホンはイヤーカップが小さくてもフレームにモロに干渉します。
干渉するだけならまだしも、ヘッドホンがついていた黒い梨地のパーツの部分はブラブラと可動するので、内側に曲がって顔に当たります。
...当たるというより食い込んでくるので、とてもではないですが装着できません。

IMG_1251.JPG

ネックバンド型や、側圧の弱いヘッドホンならなんとか使えると思います。
KOSS Porta Proで試しましたが、これはバンドを伸ばせば側圧ゆるゆるにできますし、イヤーカップが小さい&内側に折り畳めるのでなかなかいいフィッティングでした。
ただしコレはおそらく珍しい例で、大抵は装着できても耳に密着しなくて音質が悲しいことになると思います...。

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ここからが本題です。
上記の作業では元通りに復元できるので有償でもメーカー修理ができるかもしれませんが、ここから先は確実に無保証の世界です。
実行するなら自己責任で!

HMZ-T2の装着例を見ても分かる通り、フレームの白い部分はヘッドホンと干渉してもさほど問題になりません。
硬いプラスチックなので、ヘッドホンのイヤーカップ側がへこむことで装着出来ます。
なので、問題となっている下部の動くプラスチック部を切断します。

IMG_1255.JPG
(この黒いヤツが、全ての元凶なのだ...!)

Webで調べてみると切断加工をやっている例がいくつも出てきますが、切断後に横から光が入ってくるので、部屋を暗くしないと若干気になるようです。
そこで、次のように切断しました。

IMG_1272.JPG

ヘッドバンド側の部品はネジ穴4箇所のうち、2つを残してその先を切断。
外装側の部分は、ヘッドバンド側と対応する2つのネジ穴+遮光するために長めに残して切断。
切る位置や残す長さは、自分が実際に使うヘッドホンを当ててみて、問題のない位置を確認してから行いましょう。
長く残す分にはあとから短く出来ますが、切り過ぎちゃうとどうしようもないですから。

プラスチック自体は比較的柔らかいので、アートナイフ(デザインナイフの親分みたいなもの)の曲線刃を使って切りました。
曲線刃なら常に1点に荷重がかかるので、切断には向いている...ハズ。
ホントはリューターで切りたかったのですが、現在故障中なので手作業で...。
切断面は800番の水ヤスリで処理しておきました。つるつる。

あとは組み上げれば完成ですが、他にもHMZ-T2に準じた仕様にするために、以下の改造を行いました。


レンズ位置調整機構の左右独立化 ----------
これは先の家電好きの日記さんで紹介されている改造です。
改造は非常に簡単で、レンズユニット部を取り外し、左右連動させているギアを取り外すだけです。

IMG_1248.JPG

本体フレームからフレキに注意しつつレンズユニットを取り外すと、すぐに見える白いプラスチック部分が連動機構です。
これを裏側からツメを外して...

IMG_1249.JPG

ギアを取るだけだけ。簡単でしょ?
ちなみに、最後に組み立て直すときはレンズを外側か内側まで目一杯ずらしておいてから下部の黒カバーをつけると良いです。
レンズをずらすスライダースイッチとの位置合わせが面倒なので。

あとアチコチに貼ってあるマスキングテープは、外したネジを外した箇所の近くに貼ってあるだけです。キニシナイ。


レンズ迷光対策 ----------
これはやってみて効果があったのかはよくわからないですが...一応紹介。
レンズユニットを取り外すと、接眼レンズの周囲がむき出しになっていてここから光が入り込んでしまうように見えます。
なので、人によっては黒い紙を貼ってみたり、油性マジックや墨汁で塗ってみたりしているようです。

私の場合は...少しスキマができてしまうのですが、簡単に元に戻すことができる方法として、細く切った自己融着テープを巻いてみました。

IMG_1250.JPG

自己融着テープというのは本ブログで度々出てきますが...ブチルゴム製のテープです。
車の配線をまとめたり絶縁のために巻いたり、水道管の水漏れ防止に巻いたり、テニスラケットのグリップに巻いたりするアレです。
遮光性もよさそうなのでコレを使ってみました。
レンズをスライドするときに少し引っかかる様になってしまいましたが...特に劇的な効果も不具合もないのでこのままです。w


イヤフォン端子の増設 ----------
いよいよメインイベント、イヤフォン用の3.5mmミニジャックの増設手順です。
ググっても改造後の写真はあっても、手順を公開しているところが見当たらなかったので適当にやってみました。
といっても作業自体は単純で、既にあるヘッドホン出力をミニプラグ-メス端子に繋いであげるだけ。
インピーダンス整合?

            /)
           ///)
          /,.=゙''"/
   /     i f ,.r='"-‐'つ____   こまけぇこたぁいいんだよ!
  /      /   _,.-‐'~/⌒  ⌒\
    /   ,i   ,二ニ⊃( ●). (●)\  音さえ出ればいいんだよ!!
   /    ノ    il゙フ::::::⌒(__人__)⌒::::: \
      ,イ「ト、  ,!,!|     |r┬-|     |
     / iトヾヽ_/ィ"\      `ー'´     /

用意するものはこちら。

IMG_1260.JPG

3.5mmメスコネクタのついたケーブル。
ダイソーで調達。105円。以上。

ハンダ付けが不安な人はちゃんとした部材(こういうコネクターとかこういうケーブル)を用意しましょう。
なぜなら...切れば分かるんですが...

IMG_1261.JPG

安くて細いケーブルは、被覆のある導線が通っているのではなく、写真のように撚り線に絶縁塗料がコーティングされたものが通ってるだけだからです。
こんなケーブルを使う場合はそのままではハンダ付けできないので、絶縁塗料を火で炙って焼き飛ばし、エタノール等で残りカスを拭きとってあげます。
写真は処理後なので先端が焦げてます・・・w

今回の導線は無地(銅色)、青、赤でしたが、それぞれがプラグのどこと対応しているかテスターでチェック。
 無地:プラグ根本(コモン)
 青:プラグ先端(Left)
 赤:プラグ真ん中(Right)
となっていました。
モノによって違うかもしれないので、各自確かめましょう。特に100均のケーブルなんて信用ならないし...。

写真ではオス側で導通確認していますが、今回使うのは当然メス側です。
メス側ではテスターを当てにくいのでオス側で確認しています。

ケーブルの準備ができたらハンダ付け。
HMZ-T1のヘッドホンケーブルを途中でぶった切って使用します。
ハンダ付けは次のとおりに行います。
 HMZ-T1ケーブルの赤色線 ... 100均ケーブル側のLeftまたはRight
 HMZ-T1ケーブルの黒色線 ... 100均ケーブル側のCommonに両方共
ハンダ付けが終わったらHMZ-T1に取り付けて、導通を確認します。

この時点では配線ミスや、基板に金属等をぶつけてショートさせてしまう可能があるので電源は抜いておくこと!
とりあえず基板からHDMIケーブルっぽいものを抜いておけばOKです。

IMG_1263.JPG

イヤフォンジャックに先ほどのオス側プラグを挿して、HMZ-T1の基板側まで左右の音声信号がちゃんと導通しているか、またコモンと短絡していないか確認します。
ここまで確認出来ればケーブルの配線に問題はないので、他の配線と短絡したりしないようホットボンドでネチョ固定しちゃいます。
ホットボンドが無ければ...瞬間接着剤などで線を一本ずつコーティングするとかしましょう。
組み上げた後にショートするのが一番悲しいので...。

IMG_1266.jpg

絶縁をとれたら組み上げ前に一度動作チェック。
むき身で試験するので、ショートには十分気をつけましょう...。
やらなくてもいいけど、組み上げて動作しなかったらまたやり直しなのでやったほうがいいですネ。

IMG_1269.JPG

実際にイヤフォンとかヘッドホンを接続して試します。
音が出てくるとテンション上がりますが、ちゃんと左の音は左から、右の音は右から出ているか確認します。
Windows7ならコントロールパネルのサウンドからテストを実行すれば、左、右の順でテスト音声が流れるので簡単確実です。
ここで左右が逆だったとしても、コネクタを差し替えれば大丈夫です。
あとで挿し間違えないようケーブルにラベルでも貼っておきましょう。

もし両方共同時に聞こえたら...ハンダ付けやり直し!

無事に動作確認ができたら組み付けます。
もともとのヘッドホン用ケーブルが通っていた穴は非常に細いので、現物あわせで穴を拡げたり邪魔なプラを切ったりしながら配線します。
あまり太いケーブルを使うとここが面倒かもしれません。

・・・そして完成!

元のヘッドホン出力をジャックしているだけなので、音量調節も各種イコライザもそのまま使用出来ます。
標準ヘッドホン向けのチューニング等されてるのかもしれないですが...気にしないキニシナイ。
KOSS Porta Proでアニメ1本見てみましたが、綺麗に鳴ってくれました。
ちゃんとしたヘッドホンやイヤホンを使うのなら、イコライザはなしで聞くのがいいでしょう。
ポタプロが低音強すぎてイコライザと合わないだけだろ!ってツッコミはナシで。

そして無事にHD650も装着できるようになりました。
こっちを使うのでイヤホン端子の増設は要らなかったんですが...外装切断という引き返せないところまでいっちゃったので、行って行って突き抜けました。w

IMG_1276.JPG


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このページは、kitcatが2013年1月20日 08:12に書いたブログ記事です。

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